■お客様に尽くすな！
- その飲み会、本当に営業につながっていますか？
営業マンにとって、お客様は神様です。お客様のためならどんな犠牲も顧みず、尽くして尽くして尽くしまくるのが営業の美学！
上司や先輩に、そんな指導を受けた営業マンは多いと思います。
お客様が帰らない限り、どんなに夜遅くなっても飲みに付き合う。休日の朝早くから、行きたくもない接待ゴルフに出かける。そんな涙ぐましい努力をしている方も、たくさんいらっしゃるでしょう。月に20日もお客様との酒席に付き合い、いつも疲弊している営業マンも見たことがあります。
実は、私自身も以前はそんな営業マンの一人でした。飲みに誘われれば必ず付き合い、休日でも呼び出されれば客先に向かう……。ただひとつ、大きな問題があったのです。
それは、私はお酒が苦手だということです。たいした量でなくても、飲んだ翌日はたいてい二日酔いのような症状になってしまう体質なのです。そうなると、その日の仕事のパフォーマンスは落ちますし、体調もひんぱんに崩しがちになります。
結果的に、酒席に誘われた翌日に約束をキャンセルしてしまい、お客様の信用を失ってしまったことも多々ありました。当然、会社からの評価も上がりません。
それにも関わらず、疲れた体に鞭打ってお客様のために頑張る自分に、私は酔っていました。
「周りは評価してくれないけど、俺、超頑張ってる！」
と悲劇のヒーローを気取っていたのです。
今思い返すと、なんて勘違いを、なんて無駄な努力をしていたのだろうと、我ながら呆れてしまいます。飲み会に付き合えば付き合うほど、体調不良になってしまうし、営業成績も上がらない。マイナスなことばかりだったのです。
- 飲みに行くのは類似性の法則を利用したいから
冷静に考えてみればわかるのですが、見当違いの努力をいくら重ねても、結果が出るわけがありません。結果がついてこないなら、その方法は間違っているのです。もっと早く、そのことに気づくべきでした。
そもそもなぜ営業マンが、お客様相手とは言え、本来の仕事とは関係のない飲み会やゴルフに付き合うのでしょうか。
それは、心理学でいう「類似性の法則」を利用したいからです。自分と似たものに無意識に好意を持つ心理が、「類似性の法則」です。
人間は、何かしら自分と似た要素がある相手に対して、興味関心を抱き、好意を持つ傾向があります。たとえば、「同じ地方の出身」だとか「同じ学校の出身」「誕生日が同じ」といった相手には、なんとなく親近感を覚えますよね。
この性質を利用してトークを展開し、お客様に心を開いてもらい、成約につなげたい。そのために営業マンは、「お酒が好き」とか「ゴルフが好き」とか「きれいなお姉さんとお話しできるお店が好き」とか（笑）、なんとかしてお客様との共通項を持とうとするわけです。
お酒の付き合いを重ねて成約を取ってくるというのは、昭和から営業マンたちの間では当たり前のように行われてきました。そんな先輩たちの話を聞いて、平成、令和になっても「積極的に酒席に付き合うことが大切」と思っている若手営業マンたちもいます。先輩たちや周りの人たちがみんなやってきたことだから、間違いない！ そう思っている人もいるかもしれません。
でも、それは本当にプラスになっているのでしょうか？ みんながやってきたことだから。他の営業マンもやっているから。そんなふうに、流されているだけではないでしょうか。
もし頑張って飲み会に参加して、一時的に成績が上がったとしても、睡眠時間が削られたり、お酒で体調を悪くしたり、ストレスをためたりしてしまえば、結果的に自分自身が消耗してしまいます。そうなったら、仕事で思うようなパフォーマンスは発揮できなくなってしまいます。
お客様は選ぶ時代です。
次回の投稿では『残業するな！』についてお伝えします。
すが、実はそこに大きな落とし穴があるという事です。
ロープレが悪いという訳ではありませんが、相手への思いやりの心を持って営業できるといいですね。次回は『お客様に尽くすな！』という題目でお話させて頂きます。お楽しみに！
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アドバイザー保有資格
・２級FP技能士
・メンタルヘルスマネジメントⅡ種、Ⅲ種
・貸金業務取扱主任者
など